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BERTHET(ベルテ)
BERTHET(ベルテ)は、フランスのマニュファクチュール時計ブランドです。
その歴史は古く、創業者のジョセフ・ベルテが1888 年にフランス東部、スイスと国境を接するシャルモヴィエで創設した懐中時計の工房にさかのぼります。当初は小さな工房に過ぎなかったベルテですが、1893 年にブザンソンで開催された時計産業見本市で、ジョセフ・ベルテ製作の懐中時計が銅メダルを受賞。これを機に独自の時計ブランドとしての地位を確立しました。
ジョセフの豊かな知識と高い技術は兄弟や子供たちに受け継がれ、1950年代にはジョセフの孫である3代目クロード・ベルテが最新の工作機械を導入し、ケースの大量生産を可能にしました。また、より複雑で洗練された機械式ムーブメントを開発、製造をすべく設計オフィスをヴィレ=ル=ラックに創設するなど、ベルテに新しい時代を築きました。その後、1980年代に入ると4代目のピエール・ベルテが製造ラインの自動化やコンピュータ制御された工作機械の導入を実現しました。同時に彼は1800年代の機械を使用した伝統的な職人技術の継承にも尽力しました。
20 世紀後半はクォーツショックなどの影響により多くの時計ブランドが休眠状態に陥りましたが、ベルテは最新の製造技術と伝統的な技法の二つを両立することで一度も途絶えることなく荒波を乗り越え、さらにムーブメントを一貫製造できるマニファクチュールとして発展しました。現在はピエール・ベルテと共に5代目のウィリアム・ベルテが経営に加わり、複雑な機械式ムーブメントとケースの設計・デザインの刷新に挑戦し、懐中時計の伝統を継承しつつ、新たな腕時計コレクションの開発を進めています。また、ベルテはマニュファクチュールとして歴史を刻むなかで、技術と共に伝統的な製造機器も継承をしてきました。現在も50-70年前の工作機械をメンテナンスしながらケースやパーツを製造し、エングレイビング(刻印機)も100年前のものを使用しています。
伝統的な製造機器を継承しながら、最新のコンピュータ制御の工作機械も備えられ、ケースと機械式ムーブメントのコンポーネントおよびコンプリケーションやスケルトンのムーブメントを製造しています。懐中時計から始まり1950年代以降に腕時計も取り入れ、現在も懐中時計と腕時計の自社ブランドの時計を製造することに加え、他の多くの企業に供給しています。シャルモヴィエでケースとムーブメントのコンポーネントが製造、処理され、ヴィレ=ル=ラックでは主に組み立てが行われています。
BERTHETのロゴの象のマークは、ベルテの貴金属製品に打刻される、フランスで「le poinçon de maître」(メーカーの打刻)として知られている責任者マークです。3代目クロード・ベルテが選択し、フランスとスイスで登録されています。また、モットーのラテン語のフレーズ「ESSE QUAM VIDERI」は「見かけより実質を」と訳されています。
ベルテの自社製のムーブメントは懐中時計用に開発されたETA/Unitas 6497(オープンフェイスまたはレピンタイプ)と、6498(ハンターケースまたはサボネットタイプ)に基づいて設計された、16 1/2ligne (直径約37mm)の大きな機械式の手巻きムーブメントです。時、分、秒(スモールセコンド)の表示機能と、振動数21600振動/時 (3Hz)、17石、エタクロン緩急針、パーワーリザーブ48時間の技術的な特性を持ち、分割されたプレート(受け)には、コート・ド・ジュネーブの装飾が施されています。大きさ故のゆとりと安定性があるこのムーブメントは、調整と修理が非常に簡単で、その堅牢なつくりは自社製のコンプリケーションウォッチやスケルトンウォッチのベースムーブメントになっています。また、3/4プレート、スワンネック緩急針を備えた、より堅牢さと安定性が増したハイエンドな仕様のムーブメントもあります。
<フランス政府に認められたMade in France>
2017年、ベルテはフランス政府が認めるEPV(無形文化財企業)ラベルを授与されました。
EPVラベルは、フランス政府が優れた工業・手工業の企業に対して発行するラベルです。有効期間5年として、伝統工芸を伝承・推進する優秀な企業に対して発行されます。また、優れた「Made in France」を保証するものです。その選考は、高度な技能を身に付けた企業、伝統を継承する企業、地域に根付ざした企業を基準としています。エルメス、ショーメ、バカラや時計ブランドのぺキニエもEPVラベルに認定された代表的な企業です。
Label Entreprise du Patrimoine Vivant公式サイト ≫http://www.patrimoine-vivant.com/jp(日)
1888年から130年以上の間、時計製造の伝統の技術を守り続けてきたフランスのマニュファクチュール時計ブランドBERTHET(ベルテ)。創業者のジョセフ・ベルテから代々受け継がれてきたベルテの時計は、フランスの時計史における典型的なエレガントなスタイルとマニュファクチュールとしてのベルテ家の遺伝子を完璧に組み合わせた、フレンチ タッチなデザインと質実剛健なつくりを兼ね備えています。「美しくても手の届かない価格」の時計ではなく、「美しく手の届く価格」の時計を製造することを信条としています。- ESSE QUAM VIDERI -(見かけより実質を)